人体と酸素のしくみ

人体と酸素

● 脳が最大の酸素消費者

● 無酸素空気の一呼吸で意識喪失

酸素は、呼吸によって体内に取り入れられ、血液によって各器官に供給されます。

供給された酸素は頭脳の活動に使われたり、運動のエネルギーとして消費されます。

生体内の酸素消費量は、生体内の各組織によって、かなりの差があり、脳と筋肉の比較では、脳の酸素消費量が大きいのです。

全身の臓器・器官のうち最大の酸素消費者である脳は、その重量わずか 1.4Kg で体重の 2%程ですが、その消費量は、全身の約25%にあたります。

その反面、筋肉のように酸素をある程度貯蔵できるミオグロビンのような物質の持ち合わせもないので、供給された酸素は、一瞬にして使い果たしてしまいます。

もし心臓停止などで血液が止まれば、脳の機能もその瞬間止まり、意識不明で仮死の状態に陥ります。

呼吸している空気が無酸素状態となれば、肺血液による必要な酸素分庄が得られないので、その無酸素空気の 1 呼吸でさえ意識喪失をきたす危険性があります。

筋肉の酸素消費量は、脳に比べてかなり小さいのですが、全身の筋肉の総量はかなりあるので、その活動時の酸素消費量の増大は無視できません。

全身的に運動量が増せば、酸素消費量は著しく増大し、最大活動時には全身的な酸素不足をきたし、運動終了後もしばらくの間、酸素不足を解消するための深大な呼吸と頻脈が続きます。

エネルギー

● 食物燃料は酸素の働きでエネルギーに

● 酸素なしでは数分も生きられない

人間の第 1 のエネルギー源とは何でしょうか。それは、いうまでもなく食物です。

食物は、消化器宮のシステムを通過し、細かく分解されて栄養分となり血液の流れに吸収され、体の全細胞に届けられますが、その〝食物燃料〟は酸化作用によって化学的エネルギーとなります。

その酸化に必要な酸素を集めるのが左右の肺であり、その酸素は血液の運河ともいうべき血管網を通じて体のすみずみまで運ばれます。

このように個々の栄養分である栄養素が細胞から細胞へ、組織から組織へ、系統から系統へと受け渡しされる間に化学反応が起こりエネルギーが変換されていきます。

こうした過程で生じてきた老廃物の処分が、しめくくりとして問題になりますが、その老廃物はやはり血液によって細胞から運びだされ、肝臓や肺を通じて体外に排出されてしまいます。

人間は食物なしで数週間、水なしで数日間生きることができますが、酸素なしでは数分も生きる事ができません。

●脳の酸素消費量は全体の25%

脳は、人体を支配する中枢センターです。

約145億個といわれる脳細胞が、正常に活動するためには多量の酸素が必要です。

脳が消費する酸素の量は、活動時と静止時では酸素消費量に大きな差のある筋肉とは異なり、常時多量の酸素を必要とし、その酸素補給のため脳に循環する血液は莫大な量で、1 日約 2000 リットル、ドラム缶 10 本分にも達します。

これは、人体の総血液量の400倍近い値で、もしも酸素が不足した場合には、脳の機能にただちに重大な障害を引き起こします。

また、その供給が途絶えた場合、脳の活動はすぐに停止し、そのまま 30 秒続くと脳細胞は破壊され始め、2~3 分で再生不能の細胞破壊が起こります。

いわゆる、植物人間は脳細胞の破壊が大脳皮質で留まった場合をいい、さらに進行して髄質に達すると脳死になります。

高い山に登ったり、酒を飲んだ時、意識がぼやけるのは血液中の酸素濃度が低下するのが主因だと考えられています。

動脈血の酸素飽和が 85%に低下すると(正常時90~95%)知的集中力が減少し、微細な筋協力運動の減退をみます。

度々中毒の原因となる一酸化炭素(CO)は、ヘモグロビンに対する親和力が酸素に比して 200~300倍強いとされており、ヘモグロビンが CO ヘモグロビンになると、もはや酸素運搬作用を失うので血中酸素欠乏症をおこし中毒となります。

空気中の CO 含量が 0.1%に達すると致死的で、1 時間以内に意識喪失、4 時間以内で致命的となります。

タバコの煙りにはこの一酸化炭素が 3~4%も含まれていますが、自動車のエンジンの排気ガスは約 7%の CO を含んでいます。

肺と酸素

● 肺は空気(酸素)の貯蔵庫(機能的残気量は 3,000 ミリリットル)

● 肺は血液のクリーナー

● ガス交換で疲労がとれる

安静時、正常な大人の呼吸量は、1 回 45O ミリリットル~5OO ミリリットルであり、そのうち酸素の摂取量は 20%です。

肺の中には普通の呼吸で動かない空気(機能的残気量)が 3000 ミリリットルもありますが、それは、周囲の環境の急激な変化から身体を守る、一種の安全装置の役目をしています。

身体中の血液は、心臓のポンプに押されて 2、3 分毎に肺胞のまわりの細い血管を通り身体全体をまわっています。

青黒く疲れ果てた血液は肺工場に入れられ、新鮮な酸素の多い空気にふれます。

そこで、血液は運んできた炭酸ガスを捨て新しい酸素を取り入れて真紅の生き生さした血液に変わります。

身体の中のすべての細胞は、機能を果たすためにエネルギーが必要です。

細胞小器官(ブドウ糖や脂肪を酸化してエネルギー化する所)で私達が食べた食物と酸素の結合によりエネルギーを発生させ、すべての肉体が機能を営むに必要な筋肉を使うことができます。

身体が酸素をエネルギー源として燃焼させると、老廃物として炭酸ガスが発生し、炭酸ガスがたまると脳や心臓または、大切な臓器の働きが悪くなります。

そのために肺は酸素を連続的に供給し、心臓や他の器官で炭酸ガスを排泄し血液の酸性化を防いでいます。

これをガス交換と言っています。

このガス交換によって疲れがとれ活力が蓄えられるわけです。

心肺機能と酸素

● 肺で血管に取り入れられた酸素は心臓のボンフ作用で全身に

● 心臓拍動のエネルギー源は冠動脈の酸素だけ

人間は身体のすみずみの細胞まで、休みなく酸素を送り続けなければ生きてはいられません。

その働きをするのが心臓と肺であり、肺には左右で約 7 億の肺胞があるといわれています。

肺胞から血管にとりいれられた酸素は、心臓のポンプ作用で体内に送られます。

心臓は生きている間中拍動し続けますが、毎分 70 回として 1 日約 10 万回、80 年間に換算すると約 30 億回、眠っている間も全身に血液を送り続けます。

そして、驚くべきことにそのエネルギー源は冠動脈から与えられる酸素だけなのです。

いかに効率よく血液を送り出すか、それは心肺機能にとって死活問題なのです。

ところが、殆どの現代人の血液は、運動不足と悪食のために酸性化してドロドロし、コレステロールが血管に付着して、血液が流れにくくなり、あらゆる成人病の根源になっています。

しかし、酸素の補給によって、衰えた心肺機能を効果的にリフレッシュすることができます。

血液と酸素

● 血液は体内に酸素を運ぶ鉄道の貨車

● 血液中の酸素が増えると赤血球「ヘモグロビン」 が増え血液が浄化される

たとえば、血管が鉄道のレールなら、血液は貨車に相当します。

輸送される物質は、酸素・栄養物・ホルモン・免疫体の生産物・中間代謝産物・老廃物等であり、粘ちゅう度は水の約 5 倍にもなります。

身体の血液の全量は、体重の 1/13 といわれます。

又、赤血球は円盤形をしていて、直径約 7.7 ミクロンで 1 立方ミリメートルの血液の中に男子で約 500 万個、女子で約 45O 万個もふくまれています。

赤血球は新しく生まれてから、100、120 日たつと廃車処分となりスクラップとなって腸内に排泄されます。

白血球は 1 立方ミリメートル中に約 6000 個あり、寿命は10 日間程度で同一人でもいろいろな条件で変わります。

たとえば、午後になると多くなりますし、筋肉労働や食事のあと、細菌の感染、妊娠分娩などでも増えます。

白血球は、身体の保安官の役目をし、細菌をとりおさえます。

血液中の酸素が増えるということは、その酸素を運搬する赤血球(ヘモグロビン)が増えることであり、そのため、血流量が増え多量の血液が血管内に流れることになります。

その時に血管の内壁に付着したコレステロールなどの不純物を一緒に洗い流し、血液そのものを浄化し、清浄な身体にすることになります。